「なんでみんな、普通に働いて、普通に人間関係を築けるんだろう?」
ASD(自閉スペクトラム症)である私が、長い間感じていた疑問です。
「努力が足りない」とか「甘えてる」と言われることもありますが、そもそも土俵が違う。
そんな感覚、ありませんか?
この記事では、ASDの人が社会で無理をせず、むしろ自分らしく生きていくための「生存戦略」について、実体験も交えてお話しします。
重要なことは
- 戦わずして勝つ
- 自分の得意を活かす
- 無理な場所から逃げる
です。
それは弱さではなく、強さのかたちです。
前提として知っておくべきASDの特徴
まず前提として、ASDの特性を再確認しましょう。
- 五感が敏感すぎる:音・光・においに敏感で疲れやすい
- 文脈理解や暗黙のルールが苦手:「空気読めない」「協調性がない」と言われがち
- 曖昧な指示やマルチタスクに弱い:仕事ができない人扱いされる
- 社会的な場面で消耗しやすい:ストレスになりやすい
一方で、ASDには以下のような強みもあります。
- 興味のあることに対しての集中力が高い
- 情報整理・ルール化が得意
- 正確性や規則性を保つ仕事に強い
- 一人で黙々とやる作業に向いている
つまり、自分の特徴に合った環境にさえいれば、活躍できるということなんです。
戦略1:物理的・環境的に「無理ゲー」を避ける
私たちの社会には「正社員としてフルタイムで働いてこそ一人前」という風潮がありますが、ASDの人にとってこれは生きづらさの温床です。
私自身、会社勤めで何度も体調を崩しました。音や雑談、曖昧な指示、意味のわからない会議……心も身体も悲鳴を上げていたんです。
だからこそ、まず考えるべきは、どんな環境が自分にとって無理ゲーかを知ることです。
たとえば、会社で正社員として働くことが無理ゲーでも、以下のような選択肢もあります:
働き方や住環境は『世間体』ではなく、『自分がどうすれば安定するか』で決めてOKです。
戦略2:人間関係のリスクを最小化する
ASDの人にとって、人間関係は最大のストレス源になることが多いです。
私は昔、「嫌われたくない」「ちゃんとしなきゃ」と無理して付き合っていた結果、全部爆発しました。
表情を読みすぎて疲れ果て、結果的に孤立したり、精神疾患になったりしたこともありました。。
だからこそ、以下のような対策を意識してみてください。
『うまく付き合えない』のではなく、『戦略的に距離を取っている』──そう考えると少し楽になります。
戦略3:得意なことに特化して稼ぐ・活きる
ASDの人は、苦手を克服するよりも、得意を徹底的に伸ばす方が断然ラクで結果も出ます。
ASDの特性に合った仕事・副業例は以下です。
- プログラミング:ルールが明確で一人作業が多い
- せどり・転売:情報整理・分析が得意な人向き
- アフィリエイトやブログ運営:文章で伝える・一人で進められる
- 動画編集・音声起こし:集中力とパターン処理の強さを活かせる
- データ入力・リサーチ業務:正確性や根気が活きる
私自身、会社勤めでは評価されませんでしたが、副業で稼げるようになってから自己肯定感が回復してきました。
戦略4:メンタルを守る生活習慣と考え方
「社会に適応する」ためにメンタルをすり減らすより、自分の心を守る生活設計の方が大事です。
私が実践してよかったメンタルケア習慣は以下です。
特にSNSは、刺激が多すぎるとASD脳が過負荷になりがちなので、見ない時間を決めるのもおすすめです。
戦うより『回避』しながら生きていく
ASDの人にとって、人生はRPGのハードモードかもしれません。でも、攻略法はあります。
それが、今日紹介したような『戦略的な逃げ方』や『強みに特化した働き方』です。
「正社員じゃないからダメ」とか、「人と関われないから終わってる」なんてことは、まったくありません。
むしろ、自分の心と体を守ることに真剣な人ほど、長く穏やかに生きていけます。
無理に戦うより、回避してもいい。
回避することこそ、ASDの人がこの社会を生き抜く一番の知恵かもしれません。
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